ウチの会社はアパレルさん向けに雑貨のOEM生産等を主な業務として行っています。
本社は大阪なんだけど、ボクは東京支店でなにをどうすれば再現できるのか分からない仕様書を押し付けられたり、どんなルートをたどれば形になるのか全くわからない納期をリクエストされたり、まあ一言で言うと「アパレルの奴隷」として毎日楽しく仕事をしています。
「支店」と言っても総勢9人のこじんまりとしたオフィス。
良く言えば小回りが利く、悪く言えば数にものを言わせた機動力が足りない、そんな感じ。
デカい会社にありがちな派閥間の摩擦、意思決定の煩雑さ、そういうメンドクサイ事には無縁なので快適な空間です。

ある一点を除いては、ね
今回は(も)いつもネタを提供してくれるメンドクサイ同僚の話。
最近その人の生態が最近気になって気になって仕方ないんです。
なぜにそんな行動をするのかホント理解不能なのです。
・
同僚のメンドくささが加速している問題
彼の名誉の為に言っておくと、全社内での成績はトップクラス。
知識も豊富でキャリアも長い。お客さんにしてみたらかなり安心して仕事をまかせる事が出来ると思います。
だけど、なんていうか根本的な性格が少しだけねじれちゃってるみたいなんですね。
仕入先さんともめてるのを月イチレベルで目にしています。
電話中10秒もじっとしていられない問題
各人のデスクに固定電話はあるけど、会社内でも社用携帯を使う事の方が比較的多いです。ボクもです。
だからなのかどうなのか知らないけど、その人は電話始めると大体ウロウロしています。
資料棚の所で何か見ながら電話。
ベランダでてタバコ吸いながら電話。
席を立ってオフィスの入口のドアで電話。
マジで一か所にとどまって電話してるのを見たことないです。
どのくらい鬱陶しいかっていうと。

気が散ってしょうがないよね
これ、今日の午前中にあった実例。
さすがに支店長も軽く、ホントにかるーく注意したんですよね。
そしたら彼の口から衝撃の一言。
「え?ベランダに出たのって1回だけですよね」

うわあ…
ボクだけじゃなくてみんな思ったはず。
ウソついてるっていうよりは、リアルに自分の行動を覚えてないっぽいのです。
聞こえてきた彼の口調がエキサイトしてた事を考えると、恐らくサンプルなのかバルクなのか、納期的なトラブルが発生した、みたいな。
ワチャワチャしてしまった結果、最初にベランダ出てから最後に戻ってくる時までの記憶が飛んでるんです。
きっと。たぶん。ぜったい。
百歩譲ってトラブった時だけならガマンできるんだけど、基本的には全ての電話に対してこの行動。
座って長時間(と言っても業務電話だからせいぜい5分程度)の電話が出来ない人なんだと思います。
無意識で「電話=動きながら」っていうすりこみがされているんです。
会社の固定電話に着信があった時も「お電話かわりました」の後3秒で電話しながら立ち上がって外行こうとしてたから。

電話のコード、ピーンってなるわw
さすがにそれは向いに座ってるアシスタントのコが目配せして止めてました。
人の行動を気にし過ぎ問題
さっきちらっと言ったんですけど、FAXマジマジ見る習性が見受けられます。
そして彼は全ての印刷物に目を通さないと気が済まないのです(←軽く伏線)
さらにプリントした物を席に戻らずにその場で読むクセがある。
まあ、別にそれはガマンできるとして。
いつもその場で読んでるからいっぱいプリントしてんなー、くらいに思ってたんですよね。

甘く見てたよ。甘すぎるよ。
さっき「全ての印刷物に」って言ったのは他人がプリントしたものも含めて、の話なのです。
そいえばさっきボクが印刷したヤツどうしたっけかな、と思ってたら、いつのまにか彼が持ってんの。
プリンターの前で。
あたかも自分のヤツみたいな顔してウンウン頷きながら。
別に読まれて困るもん印刷してる訳じゃないけど、なんかいい気分はしないですよ。
でも堪えてます。大人だから。ホントはイヤだけど。
指摘するとスネるから。
もっとめんどくさい事になるのが分かってるから。
そしてこの習性は後にボク達をとんでもないドン引きに導く事になるのです。
ボクのアシスタントの女の子がプライベートな書類(友達の住所とかだった)を出した時の事。
まあそれはそれでその子も悪いんだけど。
いつもの様に読み終えて一言。
「この住所の近くに俺の友達もいるんだよ」
「いつ行くの?俺も近くに行くから」
え?

うわあ。

プライベートに踏み込んじゃったよ…
キングオブドン引きの瞬間です。
人の行動を気にし過ぎ問題(その2)
彼は「誰が」「誰と」「どんなやりとりを」「どんな感じで」しているのか知りたがり過ぎな傾向がありまして。
過去にボクに2件の来客が重なった時がありました。
そのうち1件をアシスタントの女の子に対応をお願いしていたんだけど、彼は例によって電話しながらその周りに何度も行ってました。
自分は自分で電話しながらのクセに、話の大枠を聞いてるんですね。
お客さん帰った後、そのコに
「あのお客さんどこの人?」
「なんの依頼?」
「どうやって進めるの?」
「ああ、そのカテゴリーね、じゃあオレの知ってるこっちの工場使いなよ」
みたいな感じ。
アドバイスっていうとカッコいいけど、要は自分の知識とかパイプとかの自慢です。
っていうかそもそもボクのお客さんだし。
ボクの代わりに対応してくれてるんだし。
彼女が「あ、この件は手助け不要です」っていうのをやんわりと伝えたら、やっぱり少しスネてました。

めんどくささの極み
外出時はホワイトボードに行先書くんだけど、それをいつもマジマジと眺めています。
新規のお客さんとかだと初見の行先を書く事になるじゃないですか。
そうすると彼はそのホワイトボードの前に3分くらい立ち止まって動かない。
動いた、と思ったら次の瞬間パソコンカチャカチャ。
そう、ググってるのです。
誰がどこに行っているのか気になって気になって震えてるのです。
属性は『会話泥棒』だった問題
スタート時のジョブは多分「盗賊」。
経験値貯めてレベルアップした結果、幻の属性『会話泥棒』へと昇華したらしいです。
装備はというと、「横どりの棍棒」と「自己チューの鎧」。
それから「空気読めずの盾」
ボクも何度か被害にあってます。
最初は軽い防御はしてたんだけど、最近は彼の能力の覚醒がパないんです。
さっきの「電話しながらも他人の行動と言動をチェック出来る」という特殊能力もレベルアップしてるのです。
~とある昼休み~
泥棒は例によってウロウロしながら電話中

そういえば○○ってどうだった?

まあ悪くなかったけどさ

そっか、じゃあボクは今度にsiy
ーー泥棒、ココで電話終わる。

あ!○○の話だね!俺もこの前○○にxvshsbdjでぇいsks@plこsjkm

(まだ話の途中なのに)

あ、電話かかってきちゃった。話の途中でごめんね

謝るポイントちがうだろうが
・
~とある仕事風景~
泥棒は例によってウロウロしながら電話中

◆◆ってさ、どこに依頼すればいいのかな?

えっとね、◆◆は××の☆☆さんに言ったらいいよ

そっかそっか。ありがと
ーー泥棒、ココで電話終わる。

◆◆は□□で頼んだほうがいいぞ。絶対そうしたほうがいいぞ。俺が言うんだから間違いないぞ

(お前電話してたんじゃなかったんかい)

でも、もう教えてもらったから☆☆さんに頼もうかと思うんだy……..

え!なんでなんで!泥棒がせっかく教えてあげたのに!

(頼んでないし)

じゃあもういい。もう二度と教えてあげないよ
ココまでほぼ泥棒の一人舞台。
物知りなのは認めるけど。
聞いてもいない事に首を突っ込みまくれる神経、なんか最近は一周廻って尊敬できるようになってます。
過去の栄光には興味ないですよ問題
ボクも彼も、今の会社には中途で入っています。
ボクは前職はアパレルメーカーだから多少の経験は活かせてると思います。
ただ会社ルールも得意先も、それこそ扱う商品だって違う訳だから。
基本的には現所属を尊重するべきだと思うんです。
で、彼も広い意味では同業界からの転職組。
同じく前職の経験とか人脈は貴重な財産だとは思います。
だけど何かにつけて「前の会社ではこうだった」「前の仕事ではこれはこうやって進めてた」「前の会社ではこういう案件は会社が処理してくれていた」って。
「前は前は」うるさいです。
”前は前は王国”の”前は前は王子”です。
コレも彼がひとりで騒いでいる分には冷笑してればいいんですけどね。
・
前は前は王子の本領発揮問題
今はもう辞めちゃったんだけど、ウチの中の一番若手のヤツ(コイツもコイツで問題児だったんだけど)が新規のお客さんと商談してまして。
ボクに相談してきたので協力出来る所は協力したんですよね。
ただ、どうしてもスケジュール面でお客さんにも了承してもらわなくてはいけない工程があったので、そこを割と丁寧に説明していたその時。
自分のデスクで今まで黙々としてた彼がオフィス内に響き渡る声で一言。
「前の会社ではそんなに納期かからなかったと思うよ!」
ボクも若手も茫然アンド茫然。
なんならその場にいた全員が茫然。
この発言って自社になんのメリットがあったのだろうか?
お客さんの方が逆に気を使ってくれて「でも今説明してくれたスケジュールで問題ありませんよ」って助けてくれたという。
彼は彼で自分の経験を他の人に知ってもらえれば(それが例え社外の人であっても)それで満たされるんじゃないかと。
誰でも多少は持ってる『自己顕示欲』ってものが他人より少しだけ多いんだと思います。
ウソです、少しだけじゃないです、メンドくさい程の自己顕示欲があふれまくっているのです。
そういう意味では、彼はブロガーに向いてるんじゃないかなって。
その自己顕示欲とか承認欲求ってうまく使えば成功するんじゃないかなって。

「前は前はサロン」とか運営しちゃいそう
ついに一線を越えてしまう問題
今まで書いてきたのはせいぜい個人個人が「なんだかなあ」「めんどくせーなー」って思うレベルの厄介エピソードです。
そんな彼を甘やかしてしまっていたボク達にも責任はあったという事を突きつけられる事に。
彼、今はもう退職しちゃっているボクのアシスタントの女の子に好意を持っていました。
普段の動き見てるとバレバレなんですけどね。
社内では普通に接しているんだけど、彼女曰く「あの人は私に歪んだ愛情をぶつけてくるから怖い」らしい。
ウチの会社、何年か前に色々ありましてオフィス内のレイアウトを変更する必要があったんですね。
その為に休日出勤して社員総出で作業する事になりました。
なんか知らないけどメチャメチャやる気になってる彼。
まず、始める前に記念だからと言って集合写真撮ろうよ、と。
まあそれは特に責めるのもかわいそうだから写真撮ってました。
次、作業中に女子は古い資料を捨てる為の整理とかしています。
また彼がスマホ片手に女子エリアへ。
こんな作業している所めったにないから記念に撮っておこうって。
さらにみんな汗だくで作業も佳境にさしかかった頃(韻をふんでみた)無言で彼女の真正面からパシャリ。
さすがにコレにはその子も「なんなんですか!」って冗談っぽくだけどたしなめてた。

さすがにそれは、ねえ
で、めでたく夕方近くになって作業が終了。
もうみんな予想はしていたけど、記念に集合写真撮ろうぜって。

誰一人笑顔じゃないというシュールな写真だったよね
その日の夜に彼からその日の写真がLINEで送られてきました。
コレはコレで確かに記念になるな、たまにはやるじゃん、くらいの印象で少しだけ見直しました。
しかし、事件はこの後起こるのです。
イヤ、もしかしたら既に起こっていたのかもしれない。

なにこのホラー感
週明けの月曜日、ボクとアシスタントのコが朝イチで定例の打ち合わせをしていたら、彼女がLINEの画面をボクにそっと見せてきまして。
こないだの記念写真なんだけど、ボクに送られてきたよりも枚数が多い。
見た瞬間マジで「ウヴェ!」って変な声が出てしまう程に衝撃的な物でした。
集合写真の他に、彼女のワンショット写真がおまけで付いていたのです。
確かに毎回2~3回シャッター音がしていたのは気づいていました。
いい写真を選別するんだなくらいにしか思っていなかったのですが、それは非常に甘い考えでした。
さすがにコレは放置できないから、支店長に相談する様に彼女には指示しておきました。
ボクが夕方営業から帰ってから彼女に聞いてみたら、支店長が彼を別室に連れて行って何かしらの指導はしていたらしい。
そのこともあってか、その後は彼女にちょっかい出す事は見える範囲ではなくなりました。
まあ、彼女も関西の人で結構気が強いコだから翌日に自分でも直接言ってたらしいです。
どんな感じで対峙したのか後日聞いてみたら

自分でもびっくりするくらいのローテンションで、コレストーカーノハジマリデスヨアマリワタシにカマワナイデクダサイ、って言いました
って棒読みで言ったとの事。
確かに一番効果的かも。
変にキレ気味に言って逆ギレされるのもアレだし。
仕事してる姿とかゴハン食べてる所とか、前置き無しで写真撮られてた事もあったみたいで。

普通に盗撮じゃんね
言われてみるとコレも余罪かもって思い当たる出来事もいくつかあるんです。
結構デカ目の案件で受けてたOEMの案件では、彼女にサンプル試着させてたり写真撮ってたり。
彼女のメンタルが強かったからよかったものの、一歩間違えたら訴えられてもおかしくないレベル。
そういう人との付き合い方は注意しないと問題
とまあ、最終的には悪口みたいになってしまいましたが、今日も彼はバイタリティ溢れる空気を出しながら大声で電話しながら仕事を頑張っています。
ボクも最初は彼に気をつかったり、彼の行動を気にしたりしていましたが、やっと最近分かりました。
イチイチ気にしてたら時間がもったいない。
そりゃ、実害あるレベルの行動や言動にはきちんとした対応をしないといけないと思います。
だけどそれ以外の事に関しては無視が一番いいのではないかと。
FAX見られても無言で取り返せばいい。
会話泥棒されかけたら無視すればいい。
「知らんがな」
のスタンスでうまく付き合っていこうと思います。

ちなみに、彼の現アシスタントは年明けに退職する事が決定しています。
オメデタが理由なので今回は彼自身の責任では無いけど。
後任者が毒牙にかからないかどうか、ホントに心配。
ガンバレ、まだ見ぬ後任アシスタント。
コメント