「マウリッツ・エッシャー」という名前は知らなくてもこんな絵を見たことはあるのではないでしょうか。
『エッシャーの世界』展 | Curators キュレイターズ
よくよく見ると不思議な構図で描かれている、いわゆる「だまし絵」とも言われる物。
こういう作品をたくさん生み出していたのが「マウリッツ・エッシャー」というオランダの画家。
展覧会が開催されていたので家族でゾロゾロ行ってきました。
行きたい行きたい行きたいイキタイhttps://t.co/646DGfo10X
— ゆーの@ティロ・フィナーレの雇われ店長 (@noritama77777) 2018年6月18日
きっかけはボクがたまたま見つけてしまった告知。
家族にプレゼンし続けていた甲斐あって、残り1週間というギリギリのタイミングでヨメの決済がおりました。
ミラクル・エッシャー展
『生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵』
今回の展覧会のタイトルです。
エッシャーが生涯で生み出した作品は全部で448点。そして今回は実にその内の152点もの作品が展示されるという贅沢な開催になっています。
イスラエル博物館の世界巡回展の1つとして今回の開催があるんだけど、日本ではこの後大阪、愛媛、福岡で順次開催されていく予定。
マウリッツ・エッシャー
M.C. Escher – The Official Website
20世紀を代表する版画家です。
ボクも知らなかったんだけど、エッシャーの作品ってすべてが絵画とか彫刻とかじゃなくて「版画」なんですよ。
版画って絵画とか彫刻とかと比べるとやれる事の幅が少ないらしい。
素人目から見てもメンドクサソウだなって思います。
だけどエッシャーはあえて版画という手段を選んでいます。
ココにはエッシャーの挑戦的な想いがあったと言われており、自分自身でも「芸術家」ではなく「版画家」と考えていた事からも版画に対するこだわりの様なものも感じられます。
展覧会のテーマ
http://visitaly.jp/milano-escher-2016-17.html
今回の展覧会では、エッシャーの作品におけるテーマを8つに分類しています。
それをふまえて有名な作品、見ておくべき作品をいくつか紹介しておこうと思います。
対照(秩序と混沌)
https://spice.eplus.jp/articles/192559/images/509722
エッシャーの作品には「幾何学」を多く取り入れるという特徴があります。
中心に描かれている多面体の幾何学性に対して周りに並べられている不規則性。
秩序(正多面体)と混沌(その他)が1つのエリアに共存する事が逆に美しい。
バベルの塔
聖書の内容をエッシャーの解釈と技法によって表現した作品。
この作品も幾何学をイメージしています。
建物だけじゃなくて、描かれている人も図形として捉えているのです。
昼と夜
http://epokal.com/blue_column/3358
幾何学模様から繋がる「正則分割」という技法をエッシャーは多用しています。
正則分割っていうのは、同型の図形を反転させたり開店させたりして隙間なく並べていく技法の事。
この作品が一番分かりやすいと思います。
向かって左は昼間の風景に黒い鳥。
中心で反転させる事により、右側を夜の風景に変化させています。
鳥の図柄と田園の図柄が中心付近でお互いの領域に入り込むことで、何とも言えない不思議な作品に。
相対性
今回の展覧会のメイン看板にも取り入れられている作品。
現実ではありえないような構図だけど、見る角度を変えると正しい所とありえない所が逆転。
ウチのムスメは身体をひねったり横向きにしたりして眺めていました。
物見の塔
https://www.wikiart.org/en/m-c-escher
”ネッカーの立方体”という立方体の錯視を用いて作られた作品。
引きで見ているだけだと特におかしな部分は無い様に見えますが、よく見ると2階と3階の向きが逆になっています。
2階は向かって右側に奥行きがあるのに3階は向かって左側に奥行きが作られているのです。
ちなみに”ネッカーの立方体”っていうのはコレ。
立方体を構成する2つの辺が見た目の上で交わるとき、どちらが前部か後部か示されておらず、2つの解釈ができるために錯視が可能となる。
「どの線がどこに繋がっていて、立体で見た時にどうなっているのか」
2次元で見た時には正確に認識が出来ない、みたいなニュアンスかと。
この作品ではこういう事ですね。
奥にある柱が手前側にきているけど、空間的にこんなことはありえない、と。
そしてこの部分。
左下でひっそりとネッカーの立方体と戯れる男性が。
こういう遊び心もエッシャーの魅力じゃないですかね。
メタモルフォーゼⅡ
http://blog.uwabami.jp/entry/2018/06/13/174614
この展覧会の目玉はこれ一択でいいでしょう。。
実に4Mにもわたる壮大な作品です。
「METAMORPHOSE」の文字⇒幾何学模様⇒トカゲや魚などの生き物⇒建物、というように連続した流れで少しずつ図柄が変化。
そして最後は逆の流れでまた文字に戻るという不思議な作品。
これも例の「正則分割」の手法がふんだんに取り入れられています。
展示されているスペースの壁面には拡大された物がありました。
展覧会情報
東京展は7/29(日)で既に終了しています。
並んで行った甲斐は間違いなくあったと思いますので、自信を持っておススメできる展覧会です。
【生誕120年 イスラエル博物館所蔵ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵】
★会場/上野の森美術館
・東京都台東区上野公園1-2
★会期/2018年6月6日(水)~7月29日(日)※会期中無休
★開館時間/10:00~17:00 毎週金・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
最終日はかなりの混雑が予想されるので、行こうと思われている方は早めの準備と行列する覚悟を。
リアルタイムの混雑状況は公式ツイッタ―を参考にすると便利。
チケット購入は事前にしておきたい
現地についたら既に行列。
とりあえず並ぶだけ並んだけどチケット買ってなくて、チケット買うのにもまた並ばなくてはいけない
最悪、行列に並んだだけでチケット買うのを忘れてて、また最後尾に。
なんてことの無い様に、出来るだけ事前にチケットを買っておく事をおススメします。
ボクは公式オンラインチケット(スマチケ)を利用しました。
行きの電車の中で決済まで済ませておいて、入場時に係の人に見せるだけなので簡単でした。
並びの為の準備もしておきたい
ボクが行った時は猛暑日。
まあ覚悟はしていたんだけど、水分補給とか熱中症対策とかは絶対に必要。
日陰はないと思っていた方がいいです。
なので、海に行くんかってくらいの勢いでヨメは飲みものと保冷剤を用意していました。
最初は「そんなにいらねーよ」って言っていたんだけど、この件に関しては完全にヨメが正義でしたね。
1時間チョイの待ち時間で、ペットボトルのお茶と凍らせていたソルティライチを消費していたので。
ムスメもよく頑張ったと思いますよ。
あと、用意しておけばよかったなって思うのは、ヒマつぶしのグッズ。
ムスメ達も炎天下の中での待ち時間は結構キツイから。
何もしないで待っているよりは何か別の事に意識を持っていった方が多少は気がまぎれると思います。
ボク達は特に何も持っていなかったので、延々ムスメとあっちむいてホイやってた。多分ボクの36勝20敗くらい。
次は大阪で開催されます
11/16~1/14まで、大阪のあべのハルカスで開催される予定。
詳細は公式サイトを。
一通り見終わった後にはグッズの購入も出来るのですが、またココが朝の通勤ラッシュなみの混雑でした。
入場から会場内、最後の売店まで超混雑で大変だったけど、それ以上に面白くて為になる展覧会でした。
待った甲斐がアリアリでした。 pic.twitter.com/jsrHKaQtlT
— ゆーの@もうすぐティロ・フィナーレ卒業 (@noritama77777) 2018年7月22日