「あれ?鍵締めたっけかな?」「そういえば火の元は大丈夫かな?」もしかしたらそれは強迫性障害かもしれません

強迫性障害 シンリガク

あれ?鍵閉めたっけかな?

ガスの元栓しめ忘れたかも…

自分の手が汚い…まだまだ洗い足りない…

何かにぶつかったけど、誰かに危害与えなかったかしら?

日常の生活で気になる事はたくさんあると思います。

慎重、と言えば確かにそうなのですが中にはその思考や行動が少し強い人も存在します。

それはもしかしたら「強迫性障害」なのかもしれません。

 

・細かい事が気になって何度も確認してしまう。
・頭の中では「無意味」だとわかっていてもやめられない行動がある。
・「気にしぃ」「潔癖症」「確認しすぎ」などとよく言われる。

 

強迫性障害とは?

強迫性障害というのは医学的にも裏付けのある病気に分類されます。

強迫性障害とは、反復的・持続的な思考や衝動、イメージにとらわれる「強迫観念」と、手洗い、確認などの繰り返しなどの「強迫行為」を中核症状とする病気です。
出典:強迫性障害について|メディカルノート

 

自分の手が汚いのではないか、という思いこみを消す事が出来ずに(これが強迫観念)

何度も手を洗い続けてしまう(これが強迫行為)

 

こういった「強迫観念」と「強迫行為」がセットになっている事がほとんどです。
自分でも「こんな事を気にするなんてバカバカしい」と思ってはいるのに、頭のどこかで「何かあったらどうしよう」という不安が払拭できないケースがほとんど。

そういう不安からくるこだわりの行動が度を越えている、という事に思い当たるふしのある人も少なくないのではないでしょうか。

手をきれいに洗う、という行為自体は普通の事。
だけど、その行為が何時間も続くと考えてみてください。

時間がないのに手をもっとキレイにしないといけない、約束の時間よりも手を洗う事が優先事項。

少しエスカレートしていると思いませんか?

これが強迫性障害の一例。
習慣性が強くなると、その行為に自分が満足するまで他の事に気が回らなくなったり、家族や友人にまで同じ行為を強要するようになったり、日常生活への支障もきたす事にもなりかねません。

WHOの報告では、強迫性障害は生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつにあげられています

 

気になるところがあったらチェックしてみるのも良いかもしれません。

出典 東京認知行動療法センター/強迫性障害チェックリスト

 

強迫性障害になると

不安になる原因を取り除くため、その強迫観念につながる場所や状況を意識的に避ける

自分の強迫行為に対して、周りの人達に「ボクの手は汚くないよね?」とか「ボクの行動はこれで大丈夫だよね?」などといった確認や保証を求める

このような特徴がみてとれる事が多くなります。

この状態の怖い所は、自分の意志とは関係なく不安がかきたてられてしまう事。
この行為は意味がないとわかっていても、実際にやめようとすると不安ばかり浮かんできてしまって自分が納得するまで強迫行為にとらわれてしまうのです。

諸説ありますが、概ね成人の40人に1人程度が強迫性障害の傾向があると言われています。

 

強迫性障害のメカニズム

強迫観念
不安が発生
強迫行為
安心(一時的なもの)

この一連の流れが一般的な強迫性障害の症状になります。

 

強迫観念とは

くりかえし頭の中にこびりついてしまうマイナスな考えとかイメージ。
不安、恐怖、不快感などをひきおこす事が多いです。
考えの中だけで完全にとりはらう事は困難で、過度の確認やルールにのっとった儀式的な行為という強迫行為につながってしまいます。

 

鍵を閉めたかどうか気になる、ガスをきちんと消したかどうか不安で仕方ない、さっき道ですれ違った人にぶつかってしまい相手がケガをしていなかったか心配になる。

この様な強迫観念が頭に浮かぶと、悪い方向へ思いが進んでしまいます。
それを取り払う為に自分の中で安心を得るための強迫行為をしてしまうのです。

 

強迫行為とは

強迫観念による不安や恐怖などを一時的に軽くするための行為。
くりかえされる確認のように自分自身に向けられる行為の他、家族などの他者への確認によって保証を得ようとする行為もみられます。

 

やっかいなのは、最終的に一時的な安心を得たとしてもこれが繰り返されるたびに強迫観念-不安-強迫行為-安心、というルーティンが強化されてしまう事。
例えば今回は10分の手洗いで落ち着いたとしたら、次に同じ様なケースになった場合は10分では安心できずに30分の手洗いをしないと安心できない、みたいなイメージですね。

悪循環がどんどん強くなってしまうのです。

 

多くみられる強迫性障害の症状

手洗いをきちんとすることや火の元を確認すること。

これは全くもって普通の事。むしろいい事です。

ですが、この様な考えや行動が極端になるのであれば強迫性障害を疑ってみましょう。
比較的多くみられる症状をまとめてみます。

 

1.衛生面や汚染に関する強迫観念と強迫行為

「潔癖症」がエスカレートした症状といってもいいケース。

電車のつり革やフードコートの座席、その他不特定多数の人が触れる設備を使った時などに自分の手や身体が汚染されてしまったのではないかという不安におちいります。
そしてその汚染されてしまった自分は、周囲をさらに汚染してしまわないかどうかが気になってしまい、何度も何時間も手を洗ったり一日に何度も服を着替えたりする事があります。

 

2.安全の確認に関する強迫観念と強迫行為

自分や家族、友人などに迷惑をかけてしまう事にならないか不安になり、何度も何度も同じ事を確認しないと気がすまなくなるケース。

外出する時にドアに鍵をかけたか
ガスの元栓はきちんとしめたか
水道の蛇口はゆるんでいないか
コンセントに余計なものを差し込んでいて漏電しないか

普通に考えれば、一度確認したのであれば気にする必要はないんです。
ですが、この様な状況が原因で取り返しのつかない事態になったらどうしよう、という不安が強くなって何度も繰り返し確認をしないと気がすみません。
自分の確認が不十分だったのではないか、という根本的な部分にも疑いを持ってしまいます。

駅まで着いているのに急に心配になってしまい、最後の確認と自分に言い聞かせてダッシュで家へ戻る事もあります。

 

3.他傷行為への不安に関する強迫観念と強迫行為

自分の行為が無関係の他人を傷つけてはいないだろうか、と必要以上に考えてしまうケース。

車を運転している時に何かを踏んだような感触があると、それがどんなに小さな衝撃であっても人にぶつかってしまったのではないかという不安に襲われたりします。
結果としてその不安を消す事ができずに、車を止めてその場所に戻る。
なにもなかった事を確認するまでその場から動く事が出来なくなってしまいます。

 

4.順序や番号に関する強迫観念と脅迫行為

自分の決めたルールから少しでもはずれてしまうと不安になってしまうケース。

服を着替える時、仕事で人と会う時、その他日常生活に関わる事は必ず自分の決めた順序やルールにのっとって行わなくてはいけないという考え。
その順序がくずれてしまうと、一番最初に戻ってやりなおさないと不安になってしまうので結局5分で出来る事が30分以上かかってしまったり。

また、ジンクスや迷信のような事象に対するこだわりが強い事も特徴としてあげられます。
特定の数字や場所を不吉なものとして位置づけられてしまい、全ての行為においてその不吉な物を避ける様な行動しかできなくなってしまいます。
左右対称じゃないと落ち着かない、というような物の配置にも細かくこだわってしまうケースも。

 

 

強迫性障害を持つ立場として

この症状の中には割と具体的な例もあえて入れています。

なぜなら、ボクもこの傾向が強いという自覚があるから。

例えばこんな傾向が。

・家族がいない時にはガスを使いません。
元栓をちゃんと締めたかな、という不安がどうしても頭の中に残ってしまうから。

・ウチの水道はこういうタイプなのですが、

ちゃんととまっているかどうかが不安で何度も上から強く押していた結果、根本が割れてしまった事もあります。

・家族の中でボクが最後に家を出る時もあるんだけど、鍵がきちんとしまっているか心配になって何度もガチャガチャやっていたらお隣さんから閉め出されたと思われていました。

・遅くまで一緒に飲んでいた人にメールやLINEを送った時には、返信がくるまで心配で眠れない事もよくあります。

さらにフタゴのムスメの片方もそんなボクの性質を多少受け継いでしまったらしく、一日に何度も手を洗う事がよくあります。
その結果手荒れがひどくなってしまいました。
あと、毎日学校へ行く直前にランドセルの中身を全部出して忘れ物がないか確認をしています。

ちゃんと前の日にチェックはしているのに、出かけるギリギリで心配になるらしく。
それこそ集団登校に間に合わなくなるレベルで。

ヨメは半分あきれて半分あきらめているのだけれど、ボクは痛いほど彼女の気持ちが分かるんですね。
自分でも同じ行動しちゃうだろうなって思うから。

傍からみたらどうでもいいことかもしれません。

笑い話に聞こえるかもしれません。

だけど本人は結構悩んでいるんですよ。

意味がない、やらない方がいいっていうのは頭では理解しているんです。

治せるものなら治したい。
おそらく同じように考えている人も多いのではないでしょうか。

 

 

強迫性障害の治療

強迫性障害は治せる病気です。

ボクは自覚があるので治していく方向に意識づけをしています。
強迫性障害の治療には大きくわけて2つの方法がとられます。

「薬物療法」「認知行動療法」の2つの治療方法をみていきましょう。

 

薬物療法

強迫性障害は「セロトニン」という脳内の神経伝達物質の機能異常も原因の一つとして考えられています。
このセロトニンの異常を調整する薬物を使用する事で、強迫観念や強迫行為を少しずつなくしていく事を目的とします。

もちろん医療機関を受診した上で処方してもらわないといけないのですが、この治療にはある程度の期間が必要です。
短期間で改善がみられなくても、絶対に自己判断で服用をとめるのはやめましょう。
症状の悪化につながってしまう可能性も捨てきれません。

 

認知行動療法

強迫観念によって不安になっても、強迫行為をあえてしない

という事を意識していく方法。

最終的には「強迫行為は不要」という考え方に着地させる事を目的とします。
実はボクは今コレを意識している真っ最中。

一例。

出かける前には戸締りをする、これは当たり前の事。
だけど鍵をカチャっと締めたらそれ以上の確認はしないようにします。
今までは2~3回はガチャガチャしないと気が済まなかったし、なんなら駅へ向かう途中で不安になって引き返したりもしていました。
だけどここ最近は、出かける前の1カチャに対しての信頼度があがってきている気がします。

「最悪かけ忘れてても別にいいや」

この考え方にいきついたのが大きいのかな、と。

誤解の無いように補足しておくと、鍵をかけ忘れる事自体は○×でいったら×ですよ。
だけど鍵をきちんとかけた、という自分の行動くらいは信じてみたらいいのかなって。

強迫観念からひきおこされる不安な気持ちは、ほとんどの場合は強迫行為をしなくても自然におさまるものなんですね。

強迫行為をしている時は確かに気持ちは落ち着くのかもしれません
だけど、同じ事を繰り返していくうちに、ある1つの強迫観念をおさえるために必要と考えられる強迫行為のレベルもあがってしまうという事も。

強迫観念によって不安な心境、不安な状況に陥っても、その場しのぎの強迫行為をしない

ここに意識する事が出来れば、その不安に対して「慣れ」がでてきます。
不安に「慣れ」ると、いつの間にか強迫行為をする事の無意味さが理解できるようになってくるもので。

「ま、いっか」

って思えるようになったら良い方向に向かっている、といえるのではないでしょうか。

 

 

周囲の人の心構え

もし身近に強迫性障害を抱えて悩んでいる人がいたら。

まず第一に「理解」するように努めて下さい。

最初に言った通り、強迫性障害というのは医学的にも裏付けのある病気です。
本人の性格とか立場とか、そういう部分で完全に治せるものではありません。

どうしてそんな事が気になるのか、理解できないとは思います。
だけどそういう症状で悩んでいる、という事は理解して下さい。

この強迫行為には理由があるのです。
その考えを否定したり、無理やり強迫行為をやめさせたり、そういう力技は周囲に対する不信感を強くするだけです。

周囲の方、特に家族の方が知っておくべきこともいくつかありますので紹介しておきます。

1.強迫性障害という病気を理解する事が最優先で最重要
2.性格の弱さや環境を理由にして責めてはダメです
3.見守る事やアドバイスする事は問題ありませんが、強迫行為自体の手助けはしないように
4.強迫行為を無理やりやめさせることは逆効果

 

 

強迫性障害は絶対に治る病気

「病気」というワードを使う事にはかなり迷いましたが、医学的にも認知されているものである以上はそういう事。

自分自身、昔から多少の自覚はあったのですが大人になって結婚をして子供を授かって、いろいろと責任みたいなものが増えてくるにつれて、自分の強迫性障害が強まってきたような気がします。

だけど、今のボクにはサポートしてくれる家族もいるし、こうして記事にして吐き出す場所もある。
今回文字にしてまとめてみると、自分でも全く気が付かなかった事ばかりでした。

ありがたいことに、ここ最近では強迫行為をする事はそれほどありません。
というか、強迫観念にかられること自体が目に見えて少なくなっています。

強迫性障害は(自覚のない人も含めると)全人口のうち1~2%くらいの割合で罹るとも言われています。

でも大丈夫。

少し時間はかかるかもしれないけど絶対に治るから大丈夫なんです。

ではまた。

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