日常の生活やビジネスシーンにおいて、心理学の考え方を知っておくと面白いので紹介したいと思います。
リフレーミング効果

「表現の方法を変えることで相手側の受けとり方は変わる」
行動心理学に基づいた理論なんだけど、ちょっと難しいかもしれません。
いくつか例を挙げてみます。
Aはなんとなくモテない君みたいなイメージ。
対してBは一途で真剣なお付き合いをしていたんだなって言うイメージ
Bの方が好印象じゃないですか?
じゃあ、次。
Aは100人も落ちるなんて無理じゃんって思いますよね。
対してBだったら90パーもあれば勝算アリって感じません?
Bの方が前向きに捉えられそう。
もう1つ。
Aは半分以上勝ってないから、どこか決めてに欠ける印象。
Bは一度も負けていないなんてメチャ強そう。
Aにはなんとなく勝てそうだけど、Bとは戦いたくない。
それぞれAもBも根本的には同じ事を言っているんだけど、言い回しをかえるだけで印象が全然違うのです。
コレはビジネスにも応用が出来る物で、覚えておくといつか役にたつかも。
おとり効果

「明らかに選ばれない選択肢(=おとり)を挿入することにより意思の決定を誘導する」
気づかないウチに意外と接している事が多いこの効果。
ビジネス、特に営業の人なんかには覚えておいて欲しいかも。
例えば、一人でランチを食べに行くとしましょう。
初めてのお店なので、まずはメニューを眺めますよね。
この2つしかなかったとしたらどうします?
別に普段のランチだから安い方でいいって思う人がほとんどかと思います。
だけど店としてはおすすめセットを売りたい。
そこでとる行動はコレ。
もう1つメニューを追加するんですね。
最後のスペシャルコースが「おとり」です。
選ばれる可能性の極めて低い選択肢を提示する事で、2択の段階では高いと感じられていた950円がなんとなくコスパが良く見えてしまう。
値段が変わったわけではないのに。
このような3択、もしくはそれ以上の選択肢を提示してその中におとりを紛れ込ませるっていうのは、営業のテクニックとして使われている事も多いです。
(意識的ではないにしろ)
なんで2択じゃなくて3択かっていうと、おとり効果には「極端の回避性」という効果もあるから。
松竹梅の法則とも言われるのですが、人は値段や価値の異なる物を選ぶ時には両端(値段の場合は最安値と最高値)よりも真ん中にある物を選びやすい、という理論。
だから本当に売りたい物がある時には、その上のレベルの物と下のレベルの物を同時に提示すると上手くいく確率は跳ね上がるのです。
プロスペクト理論

「人間は利益を得られる時には確実に取れる利益を取り、リスクを負う可能性がある時にはその全てを回避しようとする傾向がある」
わかりやすく言うと。
得をする時は確実さを重視、損をする時には完全回避できる可能性を重視する
という事です。
まだピンとこない人の為に例を挙げてみます。
この場合、Aを選ぶ人の方が多いという統計が出ています。
勝った時のメリットよりも負けた時のデメリットの方を重視する、これが利益の多さよりも確実に得をする方を選ぶという事。
じゃ、次。
どんなシチュエーションなのか分からないけど。
こうなるとBを選ぶ人の方が多くなるのです。
リスクが増える事を差し引いてもそのリスクが完全に回避できる方を選ぶという事です。
この事で分かるのは、人間は必ずしも合理的な判断をするとは限らないという事。
身近な例で解説します。
カードのポイント
クレジットカードを初めとして、今ではどこのお店に行ってもポイントカードってあるじゃないですか。
お買い上げ金額の○%を進呈、貯まったら1ポイント1円換算できます、みたいなの。
「ポイントがあるからそこのお店でまた買おう」
「ポイントの有効期限がきれるから別に必要じゃないけど買っておこう」
という心理をついた手法です。
ポイントだけで賄える事は少ないから結局出費もしているんですけどね。
”期間限定”キャンペーン
これもポイントカードと同じ様に使われる事が多いです。
このタイミングを逃すと損をしてしまうという心理を利用しています。
実はこのキャンペーン自体、終了後しばらくしたら名前を変えただけで再登場する事もよくあるケース。
当たりのレシート
「レシートに当たりが出たら10万円までは全額返金」
テンションあがりますよね。
どうせなら500円ぽっちのレシートよりも50000円くらいのレシートで当たった方がお得じゃん。
という心理を逆手にとられています。
3000円くらいのヘッドフォン買いに行っただけなのに気づいたらipod買ってしまった経験のある人もいるのではないでしょうか(ボク)
ギャンブラーの誤謬

「自分の主観や経験などで確率論に基づいた予測がゆがめられてしまう心理効果」
誤謬っていうのは「間違い」とか「過ち」とかそんな感じの意味です。
どういうことかというと。

ルーレットやりましょう。
1点張りは怖いから赤黒の2択で。
赤⇒赤⇒赤と出たら次はどっちに賭けますか?

3回も赤が続いたんなら次はそろそろ黒でしょ
って考える人が多いと思いますが、赤が3回続いたからといって次は赤が出ないという確証はないのです。
1回1回が独立した事象なので赤も黒も確率は50%ということ。

じゃあ次はジャンケンしましょう。
相手は3連続でグーを出しました。
あなたはグーチョキパー1回ずつで、1勝1敗1分け。
次はどうしますか?

3回も連続でグー出してきたってことは、次はチョキかパーだな
コレはあながち間違ってはいません。
なんでかっていうと、ジャンケンは人の意志が介在する事象だから。
そこには駆け引きという方法論が存在するのです。
だから出しての意志によっては4連続でも5連続でも同じ結果を出す事が意図的に可能なんですね。
自分なりのジンクス、みたいな感じでちょうどいいと思います。
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アンカリング効果

「印象的な情報や数値、行動を基準として意識づけることにより、後の行動に対して影響を与えるようにするテクニック」
アンカーっていうのは「錨」の事。
船を停泊させるときにおろすおもり的なヤツですね。
このアンカーを軸としておくことで、そのあとに繋がる事柄に外的要因を与えられるようにするテクニックです。
最初に提示する情報をアンカーとしてドン!とおいておく。
そうする事で相手の心理をコントロールしやすくなるよってことですね。
例えばこんなやつ。
なんていう胡散臭い物が売られていたとしましょうか。
このキャッチコピーでは対して興味をひかないと思います。
そこでこの様に修正します。

「え?70000円も値下げ?お得じゃん。買わない選択肢はないじゃん」
って思ってしまう人も出てきそう。
この”95000円”っていうのがアンカーなのです。
どちらも実際の価格に違いはないんだけど。
基準値に対してこれだけお得なんだ、っていう具体例を示されてしまうと、人間の心理が好意的にとらえる方向に働くのです。
例がちょっとアレでしたね。
まあこんな商材あるわけないんでご注意くださいませ。
あとはこんなケースも考えられますね。

「この商品の納期は1か月後です」
このセリフがアンカーです。
実際には3週間後に納品した場合。

「1週間も早く納品してくれてありがとう!さっすがー」
実際に納品できたのは5週間後だった場合は

1週間も遅れやがって何考えてんだこれだから困るんだよないいかげんにしてくれないですかねうだうだああだこうだ…..
同じ事をやっているのにアンカーの使い方ひとつでプラスにもマイナスにもなることがありますよっていう話。
大体ボクは後者ですけど。
犬にエサをあげるときに必ずベルを鳴らす。
それを繰り返していると、犬はベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになるのです。
これも広義ではアンカリング効果。
ベルの音がアンカーになって犬の記憶にドスンと打ち込まれるのです。
ベルの音っていうアンカーに、エサを食べられるという楽しみが紐づけされてるという事。
誰にでも出来る自分へのアンカリング
日常生活の中でもアンカリングはとても効果的。
大事な商談の前には一番好きな曲を聴いてテンションをあげるとか、気分がのらなくて何もやる気が起きない時にはスイッチを切り替える為に身体をメチャメチャ動かすとか。
そういう自分なりのアンカーを設定しておくといいと思います。
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まとめ|心理学、心理的効果は日々の生活にも役に立つ
こういった心理学、心理的効果というものは、きちんとした学問として研究が続けられている物。
上手く付き合えば日常の生活とか仕事とか恋愛とか、役に立つ可能性は十分にあると思います。
気を付けないといけないのは、依存しすぎて自分の軸がブレてしまうこと。
あくまでも自分の判断の補助的なイメージでとらえておくのがベストなのではないでしょうか。。