ボクは主役になるキャラじゃないっていう事は認識しているつもりです。
別になりたくもないし。

ひっそりと生きていきたいよね
マンガでもドラマでも何でもいいんだけど、キャラの立っている主人公だけで成り立つ物語っていう物はないんですよね。
周りを固める脇役がいてこそなんです。
主人公のカッコよさだったり感情移入出来る部分だったり、そういう所を引きたたせてくれる脇役っていいなと思います。
カッコよく言うと「バイプレイヤー」ですね。
脇役の中にも、主人公の右腕となって活躍するタイプ、お調子者キャラでムードメーカー的なタイプ等、様々なタイプが存在します。
今回はその中でも『ザコキャラ』と呼ばれる脇役について。
「その他大勢」でくくられてしまう様な名前も無いザコキャラではありません。
弱さだったり情けなさだったり、主人公を引き立てる為に自分のスタンスを低い所に持って行く、そういうキャラ。
そういうキャラクターを「ザコキャラ」と言わせてもらう事にします。
こういうザコキャラって、意外といい味を出しているんじゃないかなって。
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厳選したザコキャラ3人
世紀末によく見かけるモヒカンとか。

覇気一発で気絶させられちゃうヤツとか。

そういうんじゃないです。
きちんとしたザコとしての自覚をもっている事が大前提。
ザコとしての役割を果たす為にザコにふさわしい立ち回りを演じている。
そんなザコキャラに愛情すら湧くのです。
物語の中での立ち位置がそれぞれ異なるこの3人のザコっぷりを見て頂きたい。
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ヤムチャ(ドラゴンボール)

ザコカテゴリーの中でも一番多くみられる「かませ犬的ザコ」
このヤムチャというキャラクターは、悟空の少年時代から登場しているベテラン枠でもあるのです。
登場時は悟空のライバルになりうる要素もあっておかしくなかったのですが。
いつからか「新しい敵が登場した時に相手の強さやアウトラインを分かりやすく説明する為のヤラレ役」という大事な役割にシフトチェンジしています。
そんな貴重な立ち位置を確立したのがコチラ。

天下一武闘会での天津飯戦ですね。
このタイプのザコキャラの特徴としては
「相手を見た目で判断しちゃう」
「最初だけは威勢がいい」
「油断しがち」
の3つがあげられます。
そしてこのタイプのザコキャラはほぼ間違いなくこうなります。

足折られるわ白目むくわ。
結果として「天津飯、パねえ」という印象を読者に与える事になるのです。
そういう意味では役割を全うしたと言えますね。
・
ヤムチャさんの伝説の一コマ
典型的なヤラレキャラの地位を着実に気づいているヤムチャさん。
かなり有名ですがこちらをご覧ください。


何が起きたのか軽く説明します。
サイヤ人編でベジータ達が使った生物兵器みたいなヤツ、コレがサイバイマン。
このサイバイマンをやっつけようとしたヤムチャ、一応勝つには勝つんですけど。
最後にザコキャラとしての特徴を発揮してしまい、油断からの自爆に持って行かれてしまった、というシーンなのです。
そしてこのエピソードは単なる漫画のワンシーンでは終わらないところがヤムチャさんのすごいところ。
言うても単なるヤラレキャラのヤラレシーンですよ。
これがこうなっちゃう。
これをフィギュアにするなんて。

勝負に出たよね、いろいろと
ちゃんと白目までむいてるというこだわりっぷり。
ヤムチャさんがプロのザコキャラとして優れているのは、こういう役割になりながらもいい意味で成長しない所。
人造人間編では油断しまくったあげく、当の本人に「人造人間みなかったか?」って問いかけてしまい秒殺。
セルゲームでは分身相手にあっさりと腕を折られてたり。
極めつけは最後の魔人ブウ編。
もう戦った結果としてヤラれる事すら許されません。
なんとチョコにされて食べられてしまうという扱いを受けてしまいます。
いろいろといじられる部分が多いヤムチャさん。
なんか一周まわって憧れるようになりました。
油断と慢心、加えて学習能力の欠如
ディアボロ(ジョジョの奇妙な冒険・第5部)

最強のラスボスが一番のザコキャラだったという「マウントとるクセにチキンハートなクズザコ」
勧善懲悪ストーリーが好きな人はこのラスボスが倒される時はスッとしたのではないかと思います。
ちなみにボクはジョジョが大好きなのですが、一番ハマった作品がこのシリーズですね。
今回登場して頂くのは第5部のラスボス、ディアボロ。
かなり後半まで素顔が出てこなくて、というか人物描写もぼやっとしてたので「謎に包まれた最強キャラ」みたいな期待感もありつつだったのですが。
話が進むに従って、なんか違うぞと思った方も多いのではないでしょうか。
「冷酷で用心深く敵対する者には容赦しない」
というギャングのボスとしては完璧なキャラ設定がされています。
ただし、この裏には「自分の過去を探られる事にメチャビビッて夜もオチオチ眠れない」みたいなチキンな感じも含まれているんですね。
そして二重人格、人格が入れ替わる時はルックスも変わってしまうという反則的な能力も与えられています。
その為正体がバレずにここまで来ていたのですが、娘(トリッシュ)がいた事が発覚。
トリッシュから自分の過去を手繰られる事を恐れたディアボロさん。
自分の正体が明らかになる事にビビりまくったディアボロさん。
なんと自分のムスメにまで手をかけようとする始末です。

クズなザコっぷりがでてきましたよ
というか、そもそもブチャラティ達にトリッシュの護衛という任務を与えたのも、自分の手で確実に始末するためだったのです。

小物感全開w
そしてめでたく(?)主人公のジョルノによって倒される事になるのですが、やっぱりザコにはザコなりの死に方が用意されています。
死に方、と書いたけど実は死にはしないんです。
死ぬんだけど一回死んだら終わりじゃない。

なに言ってるかわかんないよ

説明するよ
ジョルノの<ゴールドエクスペリエンス・レクイエム>の能力は「全ての出来事を巻き戻してゼロにする」事。
実際二起コル「真実」に到達スルコトハ決シテナイ!

要するに、この攻撃を受けたディアボロは「死んだ」という事実にもたどりつけず、何度も巻き戻されて永遠に死に続ける、という事になっているのです。
車に轢かれたりジャンキーに刺されたり、麻酔無しで内臓とられたり。
今でもこの世界のどこかでディアボロは「死に続けて」いるのです。
で、最後のシーンがこちら。

悪意のない子供にまでおびえる始末
「オレのそばに近寄るなああーーーーーーーッ」です。
あのディアボロさんが。
冷酷非情な悪党にこの仕打ち。
こういう結末に持って行かれるディアボロさんをザコと言わずしてなんと言えばいいのか。
冷酷な仮面の裏に隠されたチキンメンタル
夜神月(デスノート)

自分を特別な存在だと勘違いしちゃった「意識高い系ザコ」

イケメン爽やか主人公の王道を行ってると思ってたんだけど………ね
主人公なのにザコキャラっていう珍しいパターン。
話が進むに従ってどんどん小物感があふれ出てくるレアカードでもあります。
本作品におけるメインのバイプレイヤー(脇役なのにメインってのも変な言い方だけど)は”L”だから、ラスボスとしての位置づけなのかもしれません。
Lは物語の途中で退場するけど、その流れはニアへと受け継がれていくからやっぱり月はラスボスですね。
恵まれた家庭に育ち、父親は警視庁の幹部、カワイイ妹、頭脳明晰で成績もトップクラス、トドメにこのルックス。
女子マンガの主人公でキラキラしてる方がいいんじゃないかって思うくらいです。
ただし、ちょっと意識の高さが変な方向へ飛んでいってしまい、何を思ったか「新世界の神に、オレはなる!」発言。
そこからはただただサイコキラー化するだけのクズっぷりを披露する事に。

わろてるで、おにいさん
自分で「キラ」と名乗って(コレもイタイ)大量殺戮を繰り返し、キラの正体に迫ったLをも頭脳戦で亡き者にします。
表立っては親友ヅラしながら。

L亡きあとは、自分で二代目Lを名乗りつつ、裏では「マジ、オレ神ィィ」くらいの勢いで調子に乗っています。
そしてLの意志を継ぐ者(ニア)が現れると、今度はニアとの駆け引きが展開されていくのです。

どうですか、この悪い顔
最終的にはニアに追い詰められてしまい、「自分はキラである」という事を認めてその場にいる全員を亡き者にしようとします。
「自分のやっている事は世界の為、自分が神になって裁いてあげてるのだ、何が悪い」なんて都合のいい事を言いながら。


自分でフラグ立ててるw
だけどニアにバッサリ。
「あなたはただの人殺し」
「クレイジーな大量殺人犯」
完全に論破されてます。
結局リュークにも「オマエはもうダメだ」と見放され、自分がさんざん利用してきたデスノートに名前を書かれてジエンド。
その最期がこんな感じ。

原作の結末には謎もあってファンの間では色々な推測がなされていた様ですが、間違いないのは月のザコっぷりが最後に披露されたという事。
小物なのに自分のキャパを過信して勘違い
一流のザコキャラになる為に
とまあ、三者三様のザコっぷりでした。
ヤムチャだけはなんていうか”愛せるザコキャラ”かなあって思います。
後の二人はちょっと似てる部分もあって、”悪いことをしたらそれなりの結末になるよ”的な教訓すら与えてくれています。
だからボクは出来ればヤムチャになりたいと思うのです。
なにかあったらアイツに頼ればなんとかなる、みたいな不動の地位を築き上げたい。
アイツの代わりは絶対に補強できないよなーって重宝されたい。
あれ?なんかさみしいと思ったらアイツがいないんじゃん、って思われたい。

結局ザコだけどね
最後に一人前のザコになる為に必要な事をまとめておきましょう。
・何かあるぞって思わせたら勝ち。
・勝てると思った相手にはとことん強気に。
・でも本当に勝ったらダメ
・ビッグマウスは必須。
・分が悪くなったら逃げよう。
・逃げられないと思ったら謝ろう。
・許してくれなかったら泣き落とそう。
・それでもだめならウソでも何でもいい。
・「子供がいるんだあ」は最終手段。
・すぐバレるけど。
・最後はとにかく悪あがき。
そんな感じで。

戸愚呂さんとこのお兄ちゃんとかアミバさんとかも、割といい感じのザコっぷりだったなあ。
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